今の日本は高齢社会ではなく、『超』高齢社会であることをご存知でしょうか。
実は高齢化社会と呼ばれる時代は1970年から1994年までの24年間。それ以降、高齢社会になってからも高齢者の人口は増加し、相反するように少子化が進みました。2007年には高齢化率が21%を超え、この国はいよいよ超高齢社会時代に突入したと言えます。
少子化の原因は様々ですが、女性が社会進出し、独身でも充足した生活は送れる今の時代で、結婚を選ばない“おひとりさま”が増えたことは、社会のあり方をガラリと変えました。そんな現代にあって、生き方や弔い方は多様化し、従来の「死んだらお墓に入るもの」という既成概念は壊れつつあります。
個々人がその人生を個人単位で尊重する、そんな現代を象徴するのが“○活”という言葉。中でも、人生の壮年期を迎えた層が意識するのが『終活』です。
生き方や人生のあり方については、誰しも自由な設計図を手にすることが出来る時代です。しかしながら、死についてはどうでしょう。家族を意識的に持たないということは、誰かを看取る必要もありませんが、自分もまた看取ってももらえないかもしれないということ。または家族があっても、これまでのような家長制や慣習は今の生活にそぐわず、考え直す方も少なくはありません。
また、一言で終活と言っても、内容は多岐に渡ります。生前整理から葬礼や埋葬まで、生きているうちに本人がこういった死後の締めくくりを行う点でも、死がタブー視されていた時代は終わったのだと感じさせられます。
さて、実際に自身の就活を考えたとき、関心が高いのは「遺産」「葬礼」「埋葬」ではないでしょうか? 遺産については手立てやマニュアルが多く、葬礼も今では終活で生前に準備をする人が増えたことから、エンディングノートなどを活用し、家族間で話し合う機会を設けることは難しくなくなりました。しかし、埋葬についてはどうしても「死んだ先のこと」であるため、口にしにくいと感じる人は多いように思われます。それは見送りの儀式である葬礼より、ある意味、今後の弔いを背負わせかねない埋葬はよりデリケートな話題だからでしょう。
『オレンジページくらし予報』が、国内在住の20歳以上の女性を対象に「終活」について行った調査によると、希望する埋葬方法は1位が「樹木葬(25.5%)」で2位の「海洋散骨(24.7%)」と僅差でしたが、3位の「お墓に入る(20.5%)」は上位2位との間を約5%も開く結果となりました。
また、世代別で分類した場合、40~50代で自然葬への関心が高いことがわかっています。
この世代はおおむね「親の終活」と「自身の終活」のどちらも熟慮せねばならない年代ですから、今後の供養のあり方について最も実際的な解答であるように感じられます。
少子化時代の変遷と共に、今後ますます樹木葬や海洋散骨への需要は高まってゆくでしょう。
超高齢化社会において、認知症や突然の病への備えは保険や相続手続きだけではありません。
ご自身や大切な人の『終活』をしっかりと始め、現代を健やかに生き抜きたいですね。
参考:
終活が「自分ごと」になるのは40代から!?
「自分の終活について話している」30代36.7%、40代61.6%
終活で話したいことは「葬式」61.0%、「家の整理」60.6%
株式会社オレンジページ 「オレンジページくらし予報」