3月末でジャニーズ事務所を退所し、独立することを発表した元SMAPのメンバーでタレントの中居正広さん。その会見は彼らしいユーモアにあふれたものであったそうですが、途中、ジャニー喜多川氏の遺骨を取り出して話題になりました。一斉にフラッシュが焚かれる中、おもむろに小瓶を出した中居さんは「ゲン担ぎとか神頼みとか、普段はしないんだけど」と照れたように話し、記者の「やっぱり気持ちは違いますか」との問いにも笑みを浮かべて答えました。「やっぱり思ったんじゃないですか?おい頼むよ、みたいな」

最近では中居さんだけではなく、芸能人も故人の遺骨をペンダントにして身に着けたり、納骨はせず(または分骨して)自宅に安置する人が増えています。

例えば、ツイッターでストレートな発言をして人気の高須クリニックの高須院長は、母と妻の遺骨をダイヤモンドにして大切に保管していると話しています。中居さんも、ジャニー喜多川氏の遺骨は自宅で「パパの隣にあります」と語っていましたから、実父も自宅供養しているのでしょう。

生活環境に安置する手元供養や、装飾品として遺骨を身に着ける供養が昨今広がりを見せる背景には、ライフスタイルの近代化も大きく関係しています。今や、古くから日本の家族観を象徴していた家長制度は衰退しつつあり、個々人が習わしやしきたりに関与されず、故人を想う気持ちを優先して弔いを捉えられるようになってきているのです。

いつも自分を励ましてくれた親や特別な相手であれば、その遺骨を身に着けることで前向きな気持ちになれるのかもしれません。中居さんにとって、ジャニー喜多川氏の遺骨はそのような意味合いがあったのではないでしょうか。

本来、日本の供養は故人を主体とした弔いや儀式が基本でした。しかし現代は、弔いをする私たちもまた主体的に捉え、慣例よりもこころの機微を大切にした弔いの方法が見出されつつあります。

中居さんが骨を取り出したとき、皆さんはギョッとしましたか?大切な人との別れから学び、その死になお励まされ生きていく。シャッター音が鳴り響く会場で、堂々と記者にその小瓶を見せた中居さんの表情には、筆者は清々しさこそ感じました。

遺骨の在り方は一つではありません。誰しもが自分らしい供養を選べる時代に私たちは生きているのです。

 
 

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